私が「追い上げ」で馬券を買うことを止めた理由

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ギャンブルの必勝と言われ「追い上げ」というベッティング方法が存在します。負けた次の勝負は前回の掛け金の2倍賭けるという方法です。的中時の配当が2倍以上なら何回外れても当たった時点でこれまでの負け分を取り返せるという方法です。

競馬では「マーチンゲール法」や「馬法の法則」というのが有名です。長年競馬ファンの方は一度は耳にしたことがあるかもしれません。

追い上げのリスクは資金が底を尽きることです。負ければ2倍の金額を賭けるので10連敗もすれば損失額はとても大きくなります。損実額が大きくなると普通の人は平常心を保つことができなくなり予想精度も低下します。

私も過去には資金と度胸さえあれば追い上げが一番の必勝法だと思っていた時期がありました。しかしある日、想定した以上に負けた私はルールとして決めていた金額以上の勝負をして資金が底を尽きました。その日以来は追い上げ方法を止めて今の単勝・複勝スタイルへと変わりました。

今思うと負けて追い上げを止めて良かったと思っています。理論上は必勝ですが追い上げは破滅の道です。

5本指

photo credit: Chris JL via photopin cc

追い上げは理論上は完璧

負ければ購入金額を増やし続けて的中すれば今までの負け分も取り返し利益を得る方法が「追い上げ」です。勝負事でずっと負けが続くことはありえないので的中した時点で負け分を取り返し利益を得る追い上げは理論上は完璧な必勝法です。

しかし、多くの資金が必要なのに当たった時の利益が少ないという弱点もあります。対策として一定以上の損をしたら購入金額を最初に戻して新しく勝負し直すなどがありますが基本的には資金力と精神力が勝敗を分けます。

追い上げはルーレットゲームの攻略法として考えられた戦略です。ルーレットは赤、黒を選択する掛け方があるので約50%の勝負が可能です。
※正確には「0」や「00」が存在するため2分の1とはなりません。

ルーレットと比べると競馬は生き物の勝負なので確率で決まるようなことはありません。統計的に1番人気の勝率は毎年同じような値になりますがルーレットと比べると確率論が通用しないのが競馬です。

経験した立場から言わせて下さい。「追い上げは完璧な理論の必勝法ではありません。破滅の道へ向かいます。」

追い上げで勝つためには精神力が必要

追い上げで勝つためには平常心が必要不可欠です。負けが続くと購入金額を増やす追い上げでは予想に迷いが生じてきます。その結果いつも通りの予想ができずに人気を狙ったり普段は気にならない情報がいつも以上に気になったりします。

的中時の配当が2倍以上で100円、200円、400円と購入金額を2倍ずつ増やしながら勝負するとします。10連敗すれば損失金が102,300円となって次の勝負金額は102,400円です。1回の勝負に10万も賭けるような状況は普通の人では平常心でいることは無理です。欲や不安が必ずあなたの心を邪魔します。。

これ以上負けたくないと思って人気の馬を買ったり次は絶対当たるなど根拠のない自信を持ったりと精神がどんどん不安定になります。

以前、どんな状況でも平常心で勝負することがギャンブラーの才能だ。自分はギャンブラーだから追い上げで勝負する。ということを言っている人がいました。

どんな状況でも平常心で臨めることがギャンブラーの才能は納得です。「あ~どうしよう」なんて言っているギャンブラーは見たことがありませんから。でもギャンブラーなら勝負の本質を理解してハイリスクローリターンである追い上げはしないと私は思います。

私が追い上げをやめた理由

私は20歳の時に追い上げ方法で馬券を買っていました。回収率は100%超えを達成して利益もありました。7回連続で負けたら損失を確定して最初からやり直すというルールを設定していました。7回連続で負けたこともありましたが合計では収支があったので数か月は追い上げで馬券を買っていました。

しかし、ある日負け越して今までの勝ち分も全て失ってしまいました。そして次のレースはG1のNHKマイルカップでした。私の本命はサンライズプリンスという馬で大好きな馬でもありました。もしサンライズプリンス以外を本命にしてサンライズプリンスが買ってしまったらどうしようと考えてしま単勝1万円を買いましたが結果は4着と馬券は外れました。

損失金額は増えて私の手元に残ったのは僅か1万円です。最終レースの本命馬にも自信がありましたが馬券を買わずに帰宅しました。帰りの電車で最終レースの結果を確認すると私の本命馬が勝っていました。単勝を勝っていれば負け分を取り返せる配当だったのでどうして自分は最終レースを買わなかったのだと後悔したことを覚えています。

その時は後悔して悔しくて悔しくて落ち込みましたが今思えば最終レースを買わずに帰ったことは正解でした。次の日から私は追い上げで馬券を買うことを止めれたからです。

追い上げを全否定する気はありません。おそらくこの世の中には追い上げ方法で勝っている人もいるでしょう。しかし諸刃の剣ような買い方であり注意を忘れないで下さい。



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